人間は脳さえあれば少なくとも数百年以上は普通に生きられる──。ある脳科学者がこんなことを話していました。
たしかに、「体のほかの細胞とは違って脳は老化しない」という説を唱えている学者もいます。これが本当だとすると、脳の健康を維持するだけで、臓器をはじめとした体のほかのパーツを人工的なものに置き換えていけば、人間は“不老不死”に近い存在になれるということです。なんだかSF小説のようなお話ですが、それくらい、テクノロジーは急速に進化しています。
脳の寿命を数百年以上にわたって維持する方法は置いておくとして、臓器を人工的なものに置き換えた場合、どれくらい耐久性があるのでしょうか。私の専門である心臓や血管で考えてみました。
まず、冠動脈バイパス手術など太い血管の置換に使われている「人工血管」は、現在は60年近く変性を来さないようになっています。かつては耐久年数が30~40年といわれていたので、2倍くらい延びているのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」