緑内障とその予備軍は10月以降の薄暮時間帯での運転と歩行に注意

写真はイメージ

「先天性はさらに非進行性と進行性に分かれ、後者では成人以降での発症も珍しくありません。例えば、子どもの頃から始まり、徐々に視野が狭窄して視力も低下していく網膜色素変性症は、その代表です」

 一方、後天性の夜盲症では、成人以降に急激な夜盲を自覚することが多い。日本では腹部や消化器の手術後のビタミンA並びにE欠乏による夜盲症などが知られている。

 しかし、薄暮時間帯の運転で最も注意が必要なのは、患者数の多さの割に知られていない緑内障と加齢黄斑変性症のドライバーだ。

「緑内障の有病率は40代で20人に1人、60歳で10人に1人といわれるほど多い。主な症状として視野狭窄が知られていますが、実は暗順応の遅延が進むことが明らかになっています。米国で進行中の共同初期緑内障治療研究(CIGTS)では患者600人を対象としていますが、そのなかでは暗順応の遅延が見られたと米国の白内障と緑内障の専門医が報告しています。この専門医は別の研究では緑内障の自覚症状のない、高眼圧症の患者でさえも『暗順応遅延』があったと話しているのです」

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