緑内障とその予備軍は10月以降の薄暮時間帯での運転と歩行に注意

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■加齢黄斑変性症やアルツハイマー病でも「暗順応遅延」が起こる

 加齢黄斑変性症もまた、「暗順応遅延」が起きる目の病気だ。加齢によって黄斑部と呼ばれる、目の網膜中心部にある光感度の一番高い部位に変性が生じ、視界のゆがみや視力障害が起こる。このとき、錐体細胞と杆体細胞もダメージを受ける。

 また、アルツハイマー病でも暗順応が遅れるとの報告がある。

 がんにも注意したい。なかには中枢神経系へのがん転移ではなく、網膜色素変性症の種々の中枢神経症状を呈するケースがあるからだ。

「これを悪性腫瘍随伴神経症と呼び、このなかで網膜視細胞の障害を呈するものをがん関連網膜症(CAR)と言います。CARを引き起こす原発がんは、小細胞肺がんが最も多く、次いで消化器系および婦人科系のがんが多いとされます。CARは網膜色素変性症によく似た症状、すなわち杆体視細胞障害に基づく視感度の低下、視野狭窄などの症状があります」

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