「慢性腎不全になると、持病の薬も使いにくくなる。薬の多くが腎臓か肝臓で代謝されて体外に排出される。腎機能が弱れば、薬の成分がいつまでも体に残ってしまい、効果が過剰になるだけでなく、副作用で命の危険にもつながります。在宅診療においても、それは同じです」
つまり腎機能が低下すれば薬は「病気を治す」ものではなく、「症状の緩和」「進行抑制」を目的にするしかなくなる。
腎不全の進行は尿検査と血液検査で確認できる。尿のアルブミンの量が過剰なら、腎臓の糸球体に問題があり、腎不全を来している可能性が高い。
「血液検査では『eGFR』という指標を見る必要があります。年齢、性別を考慮したうえで血清クレアチニン値を評価するもので、腎臓にどれだけ老廃物を尿へ排泄する機能があるかを示しています。この値が低いほど腎臓の働きが悪いことになります」