アメリカ国立がん研究所では、がん予防に有効とされる野菜類の効果研究が行われ、「デザイナーフーズピラミッド」というランクが発表されている。研究された40種類の野菜の中で、ニンニクは唯一の“頂点”に位置づけられている。
「DADSやDATSといったスルフィドには、がん細胞の増殖を抑えてがん細胞を消滅させる効果があることが報告されています。スルフィドの働きの特徴は、がん細胞を自ら滅びていくアポトーシスという現象を起こさせているという点にあります」
世界の地域ごとの、がん発生状況と食品摂取の相関関係を調べた海外の研究では、ニンニクの摂取量が多い地域や人では、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、胃がん、咽喉がん、結腸がんなどの発症リスクが低いことが認められているものもある。
冒頭でも触れたように、こうしたニンニクの効果を享受するには「臭い」がするよう調理することが肝心だ。