ところが、ギロビッチが学生集会で、「さきほど、ここに変なTシャツを着た人が来たことを覚えている人はいますか?」と質問すると、手を挙げたのは全体の24%にとどまっていました。誰が見ても変なTシャツを着ている人でさえ、4人に1人しか見ていないという結果が明らかになったのです。ものすごく目立つ服装でさえ、4人に1人しか気が付いていないのですから、普通にしているケースであれば、ほとんどの人が気付いていない。自分自身が気にしているだけであって、周りの人は、あなたが感じているようには感じていないというわけです。
また、心理学者のアラン・フェニングスタインが提唱した「自己標的バイアス」という心理学用語についても触れておきましょう(1979年)。
フェニングスタインは、50人のクラスメートを被験者に次のような実験を行いました。先生がテストを返却する際に、「みんなよくできていたが、1人だけできていない人がいた」と言ったところ、20%の生徒が「自分ではないか?」と不安に感じたそうです。50人中1人が該当することから、本来は2%のはずなのに、です。同じシチュエーションで、「隣の生徒がそうだと思うか?」と尋ねられ、「そう思う」と答えた生徒は8%だったといいます。
科学が証明!ストレス解消法