科学が証明!ストレス解消法

他人の目を気にするのは杞憂 みんなはあなたを見ていない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ところが、ギロビッチが学生集会で、「さきほど、ここに変なTシャツを着た人が来たことを覚えている人はいますか?」と質問すると、手を挙げたのは全体の24%にとどまっていました。誰が見ても変なTシャツを着ている人でさえ、4人に1人しか見ていないという結果が明らかになったのです。ものすごく目立つ服装でさえ、4人に1人しか気が付いていないのですから、普通にしているケースであれば、ほとんどの人が気付いていない。自分自身が気にしているだけであって、周りの人は、あなたが感じているようには感じていないというわけです。

 また、心理学者のアラン・フェニングスタインが提唱した「自己標的バイアス」という心理学用語についても触れておきましょう(1979年)。

 フェニングスタインは、50人のクラスメートを被験者に次のような実験を行いました。先生がテストを返却する際に、「みんなよくできていたが、1人だけできていない人がいた」と言ったところ、20%の生徒が「自分ではないか?」と不安に感じたそうです。50人中1人が該当することから、本来は2%のはずなのに、です。同じシチュエーションで、「隣の生徒がそうだと思うか?」と尋ねられ、「そう思う」と答えた生徒は8%だったといいます。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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