医師が患者から教えてもらいたいこととは? 在宅診療の名医が語る

写真はイメージ

 つまり、より良い治療を受けたければ、患者は「発熱がある」だけではなく、それに随伴する症状や熱が継続しているのか、上がったり下がったりしているのかなど、熱の出方も医師に伝える必要がある。どのような持病があるのか、アレルギーはどうかなど、自分自身の環境もしっかり伝えるのは言うまでもない。「発熱があれば、医師は一般的に感染症を疑います。しかし、無頓着な医師は発熱だけを根拠にするか、検査をしたとしても炎症反応だけを見て、抗生剤を『とりあえず』出してしまいます。これでは、がんやリウマチなど体に炎症を起こす疾患による発熱を見逃してしまう。それを避けるには患者がもっと情報を伝えなければなりません」

 がんやリウマチ、アレルギーの増悪など炎症性の疾患では、間欠的な発熱になることが多い。感染症で38度の熱が継続的に出るとつらくて苦しく、身動きが取れないような場合がほとんどだ。しかし炎症性の疾患の場合には、39度近い熱が出てもだるくて倦怠感はあるが、「意外に動ける」ケースが多いのだという。

2 / 5 ページ

関連記事