シニアに多い足のトラブルのひとつが「下肢静脈瘤」。下肢の静脈が拡張して、こぶのように膨らむ病気です。
静脈は、体の各部まで送り届けられた血液を心臓に戻す働きがある血管で、内部には血液の逆流を防ぐ「静脈弁」があります。この静脈弁が異常を来すと血液が足の静脈に逆流し、皮膚の表面に毛細血管が浮き出たり、皮膚の表面にこぶのような盛り上がりが現れるのです。静脈弁の機能は加齢によって衰えます。また、年齢とともに運動量が減り、筋力が衰えることによって症状が引き起こされやすくなるのです。
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、シニアの場合、下肢のうっ滞が強く足がだるい、むくむ、痛む、突っ張る、こむらがえりといった症状が現れやすくなります。また、症状が長引くと皮膚が変色したり、かゆみがひどくなり、生活の質を下げる原因になりかねません。早めに適切な治療を受けるとともに、食養生で改善を図りましょう。
健康長寿に役立つ高齢薬膳