肥満・糖尿病・脂肪肝は「肝がん」のリスクを上げる…がん死亡数では第5位

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 こうやってみると、糖尿病、脂肪肝ともに、肥満が関係しているわけだがーー。

「メカニズムとして、内臓脂肪が蓄積されるとアディポサイトカインというホルモンの分泌不全が起こり、炎症やがんを促進させる因子が増え、がんを抑制する因子が減る。また肥満はインスリン抵抗性を起こすため膵臓がインスリンをたくさん出すようになり、このインスリンががん細胞の増殖にかかわっていると考えられる。さらに、インスリンは門脈を通って肝臓に最初に流れ込むため、肝臓に最も影響を与えるとみられる」

 これまではB型・C型肝炎ウイルス保持者かどうかが、肝がんになりやすいかどうかの分かれ道となっていた。今後は、肥満、糖尿病、脂肪肝が分かれ道になるかもしれない。言い換えれば、肝がんになりやすい要素を抱えた人はたくさんいるということだ。該当するなら、まずはその改善、治療に取り組むべきだ。

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