「納豆」がアナフィラキシーを起こすケースが…クラゲに刺された人は要注意

納豆アレルギーはクラゲに刺された経験のある人に多い

 ある20代の男性は宴会でお酒を飲んだ翌日、午後7時に夕食を取り、入浴後に就寝。翌朝5時にじんましん呼吸苦、胸痛により救急搬送されてアナフィラキシーと診断され、ステロイド点滴で改善した。しかし、翌月、翌々月も同様の症状に襲われたことから受診時記載の食物日記を調べた結果、納豆のアレルギーが強く疑われた。そのため納豆の糸を使った皮膚検査(プリックテスト)をした結果、納豆アレルギーと診断されたという。

 ちなみに、納豆アレルギーが遅発型アレルギーである理由は、納豆菌により生成されるPGAの分子が大きく、腸管から吸収されるサイズまで分解されるのに時間がかかるからだという。

 気をつけたいのが、納豆をたくさん食べたからといって納豆アレルギーになるわけではないことだ。

「注目したいのは、この納豆アレルギーになるのはクラゲに刺された経験のある人に多いことです。横浜市立大学の研究では納豆アレルギー患者の80%以上がクラゲに刺された経験があるサーファーやダイバーだそうです。クラゲは触手に触れると触覚細胞内にPGAを産生し、その浸透圧によって毒針を標的に突き刺します。クラゲに刺された人はこのためPGAアレルギーになり、PGAが多く含まれる納豆を食べると、じんましんやアナフィラキシーを起こすことがあるのです」

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