実際、国立感染症研究所が公表している2000年から20年の性器クラミジア感染症の患者数の推移を見てみると、国が指定する約1000カ所の医療機関の定点報告数は02年の約4.3万人をピークに減少しているものの、15年からは増加傾向にあり、20年には約2.8万人が報告されている。
「気になるのは男女ともに感染者数が15年以降増えていることです。定点当たりの報告数は15年が男性が11.8人から15.1人で1.3倍、女性は12.8人から13.9人で1.1倍となっています。とくに20代の男女の増加率が高い。国内の若年人口の減少を考えれば、他の年代に比べて子供を産むのに適している若年層の男女の性器クラミジア罹患率が高いことは出生率の低下にも関係する問題です」
性器クラミジアに感染した男性は、それを放置していると精巣上体炎を発症する恐れがあり、男性不妊の原因になるという。