患者数日本一の性感染症「クラミジア」なぜ侮ってはいけないのか 性交1回の感染率は30~50%

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 たとえば、クラミジアの咽頭部の感染はオーラルセックスが原因と考えがちだが、目に感染して、病原体のクラミジア・トラコマチスが目と鼻をつなぐ鼻涙管を通って鼻腔へ移行、そして咽頭へ感染するケースもある。そうなると喉の不調は風邪かと思い込んで治療されず、パートナー同士で感染し合うことにもなりかねない。性器クラミジアの再発率は15~30%といわれるが、それは治療に問題があるのではなく、パートナー同士のピンポン感染が原因ともいわれている。

 厚労省の推計によると22年の出生数は約77.1万人。戦後最少の21年の81.2万人を4万人ほど下回り、合計特殊出生率も約1.27で1.30を割り込む見込みだ。出生数の低下の原因は若者を取り巻く経済状況や結婚に対する価値観の変化といわれるが、静かに広がる性感染症による不妊症もある。そのことを認識し、政府は性感染症対策にも一層の力を注ぐべきではないのか。

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