役に立つオモシロ医学論文

効果的なダイエットは食事のタイミングではなく食事の回数と量

食事の頻度と量をコントロールする

 米国では肥満や太り過ぎの成人が人口の7割を占めているといわれており、生活習慣病のリスクを低下させるためにも、効果的なダイエット方法に注目が集まっています。これまでに報告された研究データによれば、1日のうち16時間ほど食事をしない時間を設けるなど、食事のタイミングをコントロールする方法の有用性が示されていました。

 一方で、食事のタイミングをコントロールしても体重を減らす効果は小さいとした研究データも報告されており、一貫した結論は得られていませんでした。そのような中、ダイエットに効果的な食習慣を検討した研究論文が、米国心臓協会が発行している学術専門誌に2023年2月7日付で掲載されました。

 この研究では、米国の医療機関データベースに登録されていた547人(平均51.1歳 体格指数[BMI]30.8)が解析対象となりました。研究参加者の食習慣に関する情報は、スマートフォンアプリを使って記録され、体重変化との関連性が検討されています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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