9人に1人が乳がんを罹患 10年生存率をほぼ100%を可能にするポイント

マンモだけでは不十分(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 次に、超音波(エコー)。乳房にゼリーを塗り、プローブという器具を当てて、反射波を画像化する。

「国が住民検診として実施している乳がん検診はほぼマンモだけ。しかし、マンモには強みがある半面、弱みもあり、マンモだけでは不十分。超音波との組み合わせが望ましい」

 マンモだけが住民検診となっている理由は、マンモだけが乳がん死亡率を下げるというエビデンスがあるからだ。ただし、このエビデンスは海外のデータになる。

 マンモは乳がんの初期症状である微細石灰化の発見については強いが、しこりには弱い。乳房の中には乳腺という組織があり、乳腺の濃度は人によって異なるのだが、日本人、特に若い人はデンスブレスト(高濃度乳房)という乳腺濃度が濃いタイプが多く、マンモでは乳房全体が白く映ってしまうからだ。

 乳がんの可能性を示すしこりも白く映るため、雪山で白うさぎを探すかのようになり、しこりを見つけづらい。その点、超音波はしこりが黒く映るので、デンスブレストでもしこりと乳腺の区別がつきやすい。

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