科学が証明!ストレス解消法

物事を先延ばしにしてしまうのは遺伝的要因が関係している

写真はイメージ

 次に、グスタフソンは、すべてのDNAを共有する一卵性双生児の回答と、DNAの半分だけを共有する非一卵性双生児の回答を比較しました。両者の家庭環境、友人関係、教育といった人格を形成するさまざまな要因を比較し、もともと備わっている遺伝子がどれほど重要であるかを調べたわけです。

 その結果、先延ばしする傾向は、環境や教育といった外的要因よりも、遺伝的要因が関係していると結論付けたのです。また、ひとつの傾向として、先延ばしをする人はとても衝動的な性質を持つことも分かりました。

 グスタフソンは、「衝動的な性質は、迅速な決定を下せる能力であり、こうした性質は私たちの初期の祖先たちにとっては有益だった」と述べています。太古の昔では、人類は日々生き残るために、知恵をはじめ、即座に判断できる能力を必要としていました。

 ところが、時代が変わり、さまざまな利便性の高いものが登場すると、中長期的な計画が大切になってきます。すると、衝動性は私たちの目標達成の妨げとなり、結果的に達成できない……。つまり、ずるずると先延ばしにするクセが生まれたと、研究では指摘しています。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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