母子の命を守るために男性も知っておきたい「妊娠高血圧症候群」

妊婦本人以外の喫煙にもリスクが…

「母体や胎児死亡を防ぐためにも、早期発見や重症化を防ぐことが重要です。妊婦健診は必ず受けてください」

 妊娠高血圧症候群になると子宮や胎盤での血液の流れが悪く、胎児が栄養不足や酸素不足がちになるため、低体重(胎児発育遅延)の状態で生まれやすい。低体重で生まれると体が栄養不足に陥っているケースが多く、その結果、少ない栄養でも蓄え生きていけるような体質になる。そのため、同世代と同様の食事量を取ると肥満児になりやすく、成人を迎えてから生活習慣病を発症するリスクが高まるという。

「妊娠高血圧症候群を発症している妊婦さんには血圧が上がり過ぎないように早めに入院してもらう必要があり、場合によっては母体の安全を確保するために帝王切開を行います。しかし、家事や育児で大変だからといって妊婦健診を後回しにしたり、血圧が上がっていても入院をためらう妊婦さんが多いです。家族みんなで支えあって妊婦さんをサポートしましょう」

 出産後も気を付けたい。まだ血圧が高い状態なのに動き回ると血圧はさらに上がってしまう。家族が家事や退院の準備を行い、妊婦を安静にさせることが大切だ。

 安全な出産を行うためにも、妊婦健診は必ず受け、血圧が上がった際には早期に受診したい。

4 / 4 ページ

関連記事