名医が答える病気と体の悩み

認知症になると人格が変わるのはなぜ… 家族ができる対処法とは

認知症の症状には「人格変化」も…

 もともとの性格や生きてきた環境が、認知症の発症後の性格にも影響を与える可能性があるといわれています。ストレスやトラウマを抱えながら生活していると、性格の形成に悪い影響をもたらします。発症前から性格がきつい人は、さらに気難しい性格になるケースもあります。

 家族や周囲の人は、患者さんのもともとの性格や個性、育ってきた環境を理解すると同時に、人格変化は認知症の症状によって引き起こされていると認識することが大事です。患者さんがどうしたらストレスを感じにくい環境で生活を送れるかを考え、患者さんに寄り添い落ち着いた接し方をするのが好ましいです。

 認知症患者さんは、周囲の人からの対応で自分の人格変化に気付くこともありますが、認知機能障害が進んでいると気付けません。そのため、周囲の人は振り回されて、疲れてしまうケースが少なくありません。人格変化の対応で悩んだ際は、まずはかかりつけ医に相談し、各自治体の「地域包括支援センター」や「認知症の相談窓口」などに頼ることもお勧めします。

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