第一人者が教える 認知症のすべて

オリーブオイルが豊富な地中海食で脳の前頭葉機能が改善

オリーブオイルにはコレステロールを下げる機能があるといわれている

 認知症リスクを下げるには何を食べればいいの──? これはとてもよく受ける質問。「アルツクリニック東京」が運営する健脳カフェやオンライン健脳カフェでも、認知機能と関わりの深い食事や栄養に関する知識を学べる教室を開いています。

 近年、世界的に注目されているのが「地中海食」です。読者の中にも耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?

 地中海食は、イタリア、スペイン、ギリシャなどの地中海沿岸の国々で食されている伝統的な食事様式。魚介類や野菜、果物が豊富に含まれ、コレステロールを下げる作用があるといわれるオリーブオイルを用いて調理されています。

 米国在住の認知症のない2258人を対象に、地中海食の摂取頻度の高い群と低い群を4年間追跡調査したところ、地中海食摂取の頻度の高い群はアルツハイマー病の発症リスクが40%軽減していた、という結果が出ています。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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