うつ病などの精神疾患でもないのに…急に怒りっぽくなった人に潜む病気

急に怒りっぽくなったら…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 前頭側頭型認知症のひとつである「ピック病」も怒りっぽくなる病気だ。

「この病気は、40~60代の比較的若い世代が発症する『初老期認知症』の代表的疾患です。その主な症状は、笑っていたが突然泣き出してしまうなど、情緒が病的に不安定になる情緒障害や、温和だった人が突然怒りっぽくなるなどの人格障害、相手の話を聞かず一方的にしゃべるといった自制力低下などがあります」

■感染症が原因になることも

 更年期障害も怒りっぽくなる病気のひとつだ。更年期障害とは40代以降の男女の性ホルモン分泌量低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群のことをいう。

「女性の更年期障害は一般的に閉経時期の前後5年に現れます。しかし、男性の場合は女性のようにハッキリした身体的変化を伴わないために診断が難しく、本人も気づかないうちに発症しているケースも少なくありません。女性はのぼせや顔の火照り、動悸や息切れ、異常な発汗などの身体的な症状の他に興奮亢進、イライラや不安感といった精神的症状があります。男性の身体的症状は全身の疲労感や倦怠感などであり、精神的症状は気分の落ち込み、イライラなどですが、先述したように急な怒りが更年期障害であることに気づかないケースも多いのです」

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