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肩の治療の選択に迷った場合は経験者の話を聞くのがベター

写真はイメージ

 よくよく話を聞くと、その男子大学生は、手術でどれくらいよくなるのかに、まず関心があった。

 そこで私が取った方法は、同じ病気で私が手術をした方を紹介し、お互い話をしてもらうということ。

 外来の待合室でそれが可能となりました。私も驚いたのですが、手術経験者の男子学生は、脱臼8回の男子学生と同じ大学、同じ学部の先輩でした。境遇が近く親近感や安心感を覚えたからでしょうか、手術後のリハビリの様子、運動復帰までにどれくらい期間を要するかなどを先輩から聞いた後、「それなら手術を受けたいです」と、意見を翻したのです。

 このような経験からも、もし治療法に迷っているなら、セカンドオピニオンで医師の意見を聞くより、同じような病気で医師が勧める治療法を受けた方の経験談を聞くことをお勧めします。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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