がんと誤診されやすい「IgG4関連疾患」とはどんな病気なのか

もともとは膵臓の病気として見つかった

「画像検査で腫瘤を発見すると、がんとの鑑別診断のために組織を取り生検を行います。しかし、膵臓や胆管など、組織を取りづらい臓器に腫瘤ができると生検が難しい」

 IgG4関連疾患ではIgG4の数値が上昇するが、IgG4関連疾患の10~20%は上昇しない。

 一方で、膵臓がんや胆管がんの約10%は、IgG4関連疾患ではなくてもIgG4の数値が上昇する。つまり、IgG4の数値も決め手にならない。

 さらに、治療が困難なケースもある。前述のように、IgG4関連疾患の治療はステロイドの投与。大半の患者はこれでIgG4関連疾患による症状が消える。ところが、ステロイドの減量や中止で再燃する人がいるのだ。そういう患者に対しては、3年ほどステロイドを少量投与する。慎重に経過を観察し、状況に応じて、ステロイドの継続投与の有無を判断しなくてはならない。

3 / 4 ページ

関連記事