がんと誤診されやすい「IgG4関連疾患」とはどんな病気なのか

もともとは膵臓の病気として見つかった

「複数の臓器にまたがる疾患のため、それぞれの臓器の専門医が経験をもとに、組織横断的に治療に当たっていかなくてはなりません。スペシャリストをつくるには、専門の診療センターが必要と考え、立ち上げに至りました」

 IgG4関連疾患は、がんと間違われやすい。がんの疑いを告げられ、しかし次の3点に該当するなら、IgG4関連疾患の可能性も考え、IgG4関連疾患センターへの紹介状を主治医に書いてもらった方がいい。

 まず、がんと診断されたが、「腫瘍マーカーが高くない」あるいは「生検でがん細胞が出てこない」。次に、膵臓がんと診断されたが、典型的な膵臓がんの画像とはやや違う。さらに、臓器の腫瘤に加え、まぶたの腫れがある。

 頭に入れておこう。

■発見の経緯 IgG4関連疾患は、もともと膵臓の病気として見つかった。1995年、東京女子医大が「自己免疫性膵炎」の概念を提唱。2001年に信州大学がIgG4との関連を発見し、03年に神澤医師が新たな全身疾患としてIgG4関連疾患の概念を世界に発表した。

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