「がんとは違い、IgG4関連疾患の腫瘤は良性です。しかし、炎症や腫瘤の肥大化で臓器が閉塞・圧迫され、機能不全に陥り、重篤な合併症を伴うことがあるのです」
腫瘤ができる場所によって、何が起こるかが異なる。膵臓に腫瘤ができれば黄疸や腹痛、糖尿病の急激な悪化。胆管の腫瘤も黄疸を招く。涙腺の腫瘤では、まぶたが腫れ、視神経を圧迫し、視力に問題が生じることもある。腎臓にできれば、繰り返しの炎症で腎機能障害のリスクが高まる。
「できる場所によっては命に関わる。後遺症が残ることもある。早急に発見して、治療を行わなければなりません。ステロイドの投与が基本となります」
■疑うべき3つのポイント
今回、神澤医師が「IgG4関連疾患センター」を立ち上げたのは、この疾患の診断に難渋するケースが少なからずあるからだ。