高齢者の正しいクスリとの付き合い方

降圧剤「ARB」がACE阻害薬と併用されない理由 副作用が増強

写真はイメージ

 そうなると、ACE阻害薬でアンジオテンシンⅡが作られないようにして、それでもできてしまったアンジオテンシンⅡの影響をARBで止められれば一番いいのではないかと考える方もいらっしゃると思います。ただ、ACE阻害薬とARBは添付文書上では「併用注意」となっています。なぜなら、降圧効果が強まるだけでなく、両者が共通して持っているカリウムが増えすぎるという副作用が増強される可能性があるからです。そのため、一般的にはどちらか一方だけを使うというケースが多いクスリとなります。

3 / 3 ページ

東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

関連記事