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NYだけではない…山火事による大気汚染で健康リスクが高まる理由

カナダの山火事によるもやと煙に覆われたマンハッタンのスカイラインを背景に歩く人々(C)ロイター

 カナダの山火事の影響によるニューヨークの深刻な大気汚染は、世界に衝撃を与えました。

 今回の大気汚染はアメリカ北東部から中西部にかけて広がり、1億人以上が影響を受けました。ニューヨーク市内では7日水曜日、真昼にもかかわらず空が暗いオレンジ色になり、多くの人がマスクなしで外にいられない、目が痛いなどの症状を訴えました。この時点でAQI=エアー・クオリティ・インデックスは460と、危険レベルの300を大きく超えて、世界の大都市の中でも最悪でした。ちなみに東京では、健康的とされる50以下が通常です。

 しかもこの煙はPM2.5という非常に微細な粒子で、呼吸と共に体内に入ると肺や心臓など奥深くまで届いて、重い疾患を引き起こします。そのためこの日のヤンキースの試合やブロードウェーの公演が、一部中止になったほどです。

 さらに大きな問題は、こうした山火事による大気汚染が、今後世界中に広がる可能性が高いことです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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