ここでまずお伝えしたいのは、結果の表現の仕方はさまざまということである。相対危険を使って100の感染を86まで減らすともいえるし、相対危険減少を用いて14%少なくするといってもいいし、絶対危険減少で0.3%減らすということもできる。さらには334人にマスクを推奨して1人の感染を予防できると治療必要数で表すこともできる。
どの指標が正しいということはない。すべて正しい指標である。この論文では、相対危険のひとつであるオッズ比=0.82で報告されている。先ほどの相対危険の計算は両群の発症者の割合の比をとっているが、論文では割合でなく、オッズの比をとって相対危険を計算しているため若干の違いが生じている。オッズと割合の違いについて、ここでは説明を省略するが、コロナの発症割合が数%というレベルでは近似できると考えてよい。実際に割合の比でも先に計算したように0.86と似たような数字になる。
医療だけでは幸せになれない