ここでは論文の結果であるオッズ比0.82を使って考えてみよう。
100のコロナ感染が82にまで少なくなるという結果であるが、1.8%と2.1%のまま比較していた時と比べて印象がどのように変わるだろうか。1.8%と2.1%だと似たようなものだと感じる人が多いだろう。それに対して100から82にまで少なくなるといわれると、先ほどより効果があると感じる人が多くなるのではないだろうか。これを相対危険減少で18%予防するといわれると、さらに効果的という気がしてくる。
多様な指標の中で、論文で使用されるのはもっぱら相対危険、相対危険減少の割り算の指標である。この背景には、「論文では治療効果を大きく見せたい」というバイアスがある。
医療だけでは幸せになれない