「手の多汗症」有病率は20人に1人…塗り薬が日本初登場

有病率は高いが治療していない患者が多い

 アポハイドローションが汗を止める仕組みは、脇汗用の薬と同じ。アセチルコリンの働きを遮断する。

 アセチルコリンは、汗の分泌に関係する神経伝達物質。交感神経から指令を受けて、アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合することで汗を分泌する。

「この働きを、医学的に抗コリン作用といいます。イメージしやすいように説明するなら、体内にある汗をつくる工場を稼働させる鍵穴がアセチルコリン。その鍵穴を塞ぐ仕事をするのがアポハイドローションです」

■寝る前にローションを塗るだけ

 使用するタイミングは就寝前。手のひらにローションを適量出し(目安は5プッシュ)、左右の手のひらに均等に塗り広げる。塗った直後は寝具などにつかないようにし、そのまま就寝。

「注意点としては、薬を塗った手で目を触らない、そして起床後すぐに手を流水で洗う。抗コリン作用は眼圧を上昇させる可能性があるため、薬が目に入ると、眼圧が上がったり、瞳孔が開いてしまったりと目の調節障害を起こす可能性があるからです。誤って薬が目に入ったら、すぐに水で洗い流してください」

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