しかし、100を超えてくると、慢性肝炎や脂肪肝などの可能性が出てきます。その場合、ALTがASTより高ければ、アルコール性肝炎かもしれません。また両方とも500を超えると、急性肝炎の可能性が出てきます。ただし、健診の結果が届くより先に具合が悪くなって、病院に行くことになりそうです。
ASTのみが高いと、心臓が悪い可能性が出てきます。心不全や心筋梗塞で心筋が壊れると、ASTが血中に出てくるからです。実際、ASTは心臓病の診断指標のひとつになっています。もちろん本当に心筋梗塞だったら、悠長に健診を受けるどころではありません。しかし、心不全の初期など自覚症状がほとんど出ていない段階なら、ASTがきっかけで見つかることもあり得るのです。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。