老親・家族 在宅での看取り方

骨髄異形成症候群の男性「自分の最期は自分でわかっている。もう輸血はしません」

写真はイメージ

 22年11月10日には、38.5度の発熱。抗生剤を投与し、解熱。同月17日、血液検査でさらに白血病化進行を確認。

 12月、小康状態。抗がん剤治療の説明をしたが、ご希望なし。年明け、いったん白血病化の進行が落ち着いたものの、23年6月からADL(日常生活動作)が低下。傾眠傾向(軽度の意識障害)やせん妄が出現し始めました。

「自分の最期は自分でわかっている。もう輸血はしません。妻に迷惑をかけたくないので、最期は病院で過ごします」

 そう宣言され、私たちが手配した総合病院で、人生の締めくくりのときを迎えられました。

 旅立ちのとき、大好きだった海の香りのする麦わら帽子を手にされていたそうです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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