がんと向き合い生きていく

検査入院の夜、突然、天井のスピーカーからコール音が響いた

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 先日、B病院に検査入院した時のお話です。がんの検査ではなく、心臓、冠動脈造影の検査をするためです。半年前にも受けた検査で経験していることもあり、検査そのものは安心していました。ただ以前、冠動脈に入れたステントが、その後どうなっているか心配でした。

 入院予約の時に、入院2週間前からの体温を記録する用紙を渡されました。入院3日前には、PCR検査で唾液を採るため病院を訪れました。入院当日は、午前10時ごろまでということで、妻にスーツケースを運んでもらって、9時過ぎには病院に着きました。

 入院案内の窓口で入院同意書を渡し、手続きを済ませたあと、書類とネームバンドを渡され、決められた病棟に向かいます。エレベーターを降りて、すぐに設置されてあるインターホンで、ナースステーションに到着を告げました。

 そこから先は、感染予防のため妻は入れません。看護師さんがネームバンドを手首に着けてくれ、自分でスーツケースを引いて病室に入ります。そして着替えて待つように言われました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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