老親・家族 在宅での看取り方

最期が近づいているなら…治療によるつらさからは解放してあげたい

写真はイメージ

「小康状態が続いてましたが、ここ1~2カ月で状態が悪くなってきています。お薬の調製をしても、週単位で悪くなってきています。お食事の量も減ってきました。残された時間がかなり短くなってきている印象です。長くても月単位、数日以内に急変のリスクもあります」

 ひとつの指標として、バイタルサインについて触れました。

「本日は血圧140台でしたが、脈が速くなってきています。脱水になっているので心臓がその分頑張っています。また、お小水の量が減ってくるのも、命のともしびが消える時が近づいている目安。お体にお水が先週よりもたまってきているのかなと。今の状態で水が飲めないから、点滴を希望する方もいます。でもお水が通常に代謝できないことも考えられます。すると痰(たん)などが増えて、ご本人につらい症状を与えてしまうこともあります」

 少量の点滴をすることも可能であることを説明し、今後のご家族の希望を伺いました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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