時間栄養学と旬の食材

【クルミ】糖尿病・心血管疾患・死亡のリスクを低下させる

1日ひとつかみでOK

 クルミは世界中で人気のあるナッツのひとつ。古代ペルシャ地方が原産地とされ、紀元前7000年前から食べられてきたそうです。後にアメリカのカリフォルニア州で栽培が盛んになり、現在では世界中で広く流通しています。

 日本でも縄文時代からクルミの栽培が行われ、最古のクルミの化石はオオバタグルミと呼ばれる品種から発見されたそうです。日本で主に食用とされているのはシナノグルミと呼ばれる種類で、大粒で種が取り出しやすく、その名の通り長野県で主に栽培されています。クルミの効能は古代の医学書にも記載され、滋養強壮や美容への効果が高く評価されているのです。

 クルミには、さまざまなビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれていて、特に注目すべき栄養素がα-リノレン酸と呼ばれるオメガ3脂肪酸です。体内で生成できない必須脂肪酸で、青魚に多く見られるDHAやEPAと同様に“取るべき油”として重要視されています。一般的な成人の1日のオメガ3脂肪酸の目安量は2グラム前後。ひとつかみのクルミ(約28グラム)で、約2.5グラムのオメガ3脂肪酸を補うことができますよ!

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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