時間栄養学と旬の食材

【アケビ】朝はシミ・そばかす予防、夜はメンテナンス効果

アケビは漢方としても利用されている

 アケビは古くから日本や東アジアの山地に自生して食べられ、江戸時代にはアケビの種から油を採取する産業も存在していました。ちょうど今頃の季節に熟すと果皮がぱっくり開き、中の乳白色のゼリー状の甘い果実を食べることができるのが特徴的です。この特徴から「開け実」が転じて、アケビと呼ばれるようになったそうです。

 果実の他、果皮やつるも料理に使われることがあります。また、つるに空洞があることから木通(もくつう)と呼ばれ、五淋散(ごりんさん)や通導散(つうどうさん)などの利尿、抗炎症作用がある漢方薬のひとつとしても利用されています。

 そんなアケビに含まれている栄養素で注目したいのが、果肉に多く含まれるビタミンC。なんとイチゴや柿と同じくらい含まれていることがわかっています。シミやそばかす予防のためには、日差しを浴びる前の朝に取ることがおすすめです。一方で、コラーゲンをつくり出してくれる働きを助ける作用も。ストレスが多くなるとビタミンCの消費が激しくなるともいわれていますので、疲れた時は夜に取ると体内メンテナンスに役立つ可能性があります。目的に応じて食べる時間帯を変えていくのもいいですね。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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