科学が証明!ストレス解消法

「パワハラ」はずっと残り続ける恐怖を相手に植え付ける

写真はイメージ(C)PIXTA

 乳児の人権を無視しているため、この実験は大きな非難を受けました。一方で、「条件付け」を用いれば、人間に恐怖反応を起こせることを実証したのです。

 先のパワハラの例を思い出してください。パワハラをやめても、パワハラを行っていたAさんを見るだけで、被害者は精神的なダメージを被り続けてしまうのです。発達の形成において、環境は極めて重要な要因となります。

 パワハラが発覚したとき、問題のある言動をストップするだけでは根本的な解決にはならない。恐怖を取り除くためには、圧力を加えていた人を被害者から見えない部署に配置換えするなど、環境を変える必要があります。

 自分の行動が、誰かの行動に影響を与える「条件付け」になるかもしれない。どうせ与えるなら、良い影響を与える行動を心がけましょう。


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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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