注目の前立腺がん新検査「phi」で何がわかる? 2021年から保険適用に

前立腺がん診断に新たな指標が…(C)日刊ゲンダイ

「phiは、補助診断のひとつです。すべてのPSA高値の患者さんに対してphiを行うわけではありません。PSAがグレーゾーンの場合は、phiの結果が生検検査の要否に有効なひとつの手掛かりになる場合があります」

 “PSAがグレーゾーン”というのは、PSA4~10の間。25~40%の割合でがんが発見されるといわれている。言い換えると、60~75%の割合でがんが発見され“ない”ので、不要な生検になる可能性もある。近年はMRIを行い、異常所見があれば生検に進む一方で、MRIで異常なしとなれば、必要に応じてphiを行い、生検の要否を判断する。

 phiは数値が高いほどがんの可能性が高くなる。phiが27.2未満ではがんの可能性は低くなるが、10%くらいはがんを見逃す可能性があると報告されている。

「一般的に、phiが27.2以上なら、MRIの結果も合わせて生検の要否を判断します。MRIで異常所見があれば、その部位を狙って組織を採取するターゲット生検、そしてランダムに組織を採取する系統生検を行います。また、MRIの異常所見がない場合は系統生検を行います」

3 / 4 ページ

関連記事