どれだけ寝てもひどく眠くなる人は…「特発性過眠症」かもしれない

過剰な眠気から社会生活が難しくなる人も…

 1日の睡眠時間が16時間を超えるような重症例では、日常・社会生活が困難になる。患者の多くは10代で発症するため、本人が目標や夢の実現に向かって取り組もうとしても、思うように登校できなかったり使える時間が限られて学業に支障を来す。周囲だけでなく本人も病気に気付かず、努力が足りないだけだと考えがちで、うつ状態になりやすいという。

 社会人の場合も、ミスが続いて業務に支障を来し退職を余儀なくされるケースが少なくない。

「過眠症は病気としての認識が浸透していないため、生活が不規則で『怠けているだけ』とみなされやすく、悩みを抱えたまま過ごしている人が少なくないのです」(本多氏)

 特発性過眠症は原因が特定されておらず、根本的な治療法がない。対症療法として、日中の眠気を軽減させる「中枢神経刺激薬」が処方されているが、動悸、下痢、感覚過敏といった副作用のリスクがある上に、約半数の人は効果が得られていないのが現状だ。

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