どれだけ寝てもひどく眠くなる人は…「特発性過眠症」かもしれない

過剰な眠気から社会生活が難しくなる人も…

 今回の研究結果から、現在ナルコレプシーの治療薬として開発が進められている「オレキシン作動薬」が、特発性過眠症に対して有効かもしれないと期待される。

「オレキシン前駆体に変異が生じている人であれば、オレキシン作動薬が特に効果を示すかもしれない。まずはナルコレプシーが対象ですが、治験で有効性や安全性が確認されれば、近い未来、特発性過眠症の方にも処方できる日が来るかもしれません」(宮川氏)

 治療薬の実用化に期待しつつ、日頃から生活改善によって日中に眠気などを抑えることも重要だ。

 特発性過眠症の人は1日の大半を睡眠に費やすため、起きていられる間に無理をして夜更かししがちになる。また睡眠時間が12時間を超える人は、活動開始が夕方になり光を浴びるのが体内時計を後退させる時間帯になる場合が多い。そのため「睡眠相後退症候群」になりやすい。

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