老親・家族 在宅での看取り方

抗がん剤の再開を目指し在宅医療を開始…6日で歩けるように

在宅医療では会話が大事

 その患者さんは福岡でお一人住まいをされていた方でした。ご長男が北海道在住で公務員、ご長女は都内にお住まいとのこと。

 1年前まで元気だったということですが、昨年の11月あたりから体調が悪化。それでも病院を受診せずやり過ごしていたのですが、ある日倒れているところを近所の方に発見されました。

 救急搬送された病院では、大腸がんの診断。もはや手術は困難といわれ緩和ケアを勧められたものの、ご家族が諦めきれず、娘さんが東京に引き取りました。そして手術可能な病院を探し、結果として人工肛門(ストーマ)装着となったのでした。

 抗がん剤治療も受けていましたが、やがて歩行困難の状態となり、パフォーマンスステータスが低下。治療はこれ以上できないと言われ、抗がん剤治療再開をにらみながら、いったん娘さんのご自宅で在宅医療を開始することになりました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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