うつ病の治療といえば抗うつ剤ですが、眠気が強かったり、めまいが出たり、口が乾いたりと、副作用が多いことでも知られています。また、2週間以上は使用しないと、その効果が表れないという欠点もあります。
それでは、もっと続けることが簡単で、副作用も少なく、効果が確実なうつ病の治療薬はないのでしょうか? 今、その候補として、「シロシビン」という薬が注目されています。
シロシビンはマジックマッシュルームと呼ばれる、幻覚作用のあるキノコに含まれる成分ですが、持続的な抗うつ作用のあることが2016年に報告されて注目され、その後、臨床への応用が検討されています。
今年の米国医師会雑誌に、104人のうつ病の患者さんに対して、シロシビンの有効性を検証した臨床試験の結果が報告されています。偽薬を使用した厳密な方法での臨床試験の結果、シロシビンをたった1回使用するだけで、その後6週間にわたって継続的なうつ症状の改善が認められました。
医者も知らない医学の新常識