医者も知らない医学の新常識

肉食をやめれば胃がんにならない? リスクが59%低下するとの報告も

食事も胃がんの原因に…

 胃がんは日本人に多いがんとして知られています。その大きな原因のひとつはピロリ菌の感染です。井戸水などを原因としてピロリ菌という細菌の感染が胃の中で起こり、それが続くことで胃がんになるのです。幸い最近はピロリ菌の検査が普及して、抗生物質などによる除菌治療が行われることにより、ピロリ菌由来のがんは減少しているようです。しかし、胃がんの原因はピロリ菌だけではありません。喫煙などとともに重要と考えられているのが食事の影響です。特に危険性が高いとされているのが赤身肉と加工肉で、焼き肉やソーセージなどをたくさん食べる生活をしていると、胃がんが増えることが報告されています。

 それでは、肉食をやめることにより、どのくらい胃がんは減るのでしょうか? ベジタリアンの人たちは、野菜や豆類などをたくさん食べる一方で、肉などの動物性脂肪を控える生活をしています。ベジタリアンダイエットを続けている人は、胃がんにならないのでしょうか?

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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