科学が証明!ストレス解消法

空を見上げれば嫉妬心が消える…気持ちの整理がつきやすくなる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 方法が研究者によって多少異なるものの、セルフ・アファメーションをする際におおむね一致していることは、病気などのネガティブな内容は書かず、なりたい自分をイメージして、ポジティブな事象のみを書くという点です。そして、できるだけ現在進行形や現在の状態で表すことがポイントです。自分にとって重要かつポジティブなことを確認するだけで、心の負担は軽減されるというのです。

 東京大学の田戸岡らによる、「自己他者概念と上下の運動感覚が、妬みと羨望の生起に及ぼす影響」という研究(16年)も興味深いでしょう。この研究では、何かを「上げる」「下げる」運動をする感覚と、人を「上に見る」「下に見る」感情に関連性があるかについて実験を行っているのですが、「意外にも関連性がある」という驚きの結果が出ています。

 実験では、「自分」や「他人」と書かれたカードの位置を上げる動作と下げる動作を比較しました。その結果、「他人」を上げる動作の場合は、良い妬みと位置づけることができる「羨望」の感情が、「自分」を下げる動作の場合は悪い妬みの象徴ともいえる「嫉妬」の感情が、より目立つ結果になったといいます。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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