若い時には造影剤を使った検査をする機会はあまりありませんが、高齢になると使ったことがあるという方もいらっしゃるでしょう。また、それによってじんましんなどのアレルギー症状が出て、お薬手帳などに「〇〇系造影剤禁」と記載されている方もいらっしゃると思います。
こういったクスリによるアナフィラキシーショックの怖いところは、1回目はもちろん、2回目、3回目も問題がなかったのに、4回目で起こる場合があるといった感じで、いつどんなタイミングで起こるのか予測がつかない点です。私は以前、同じ抗菌薬の10回目の投与時にアナフィラキシーショックを起こした例を経験しています。
そのため、多くの医療機関では抗菌薬を点滴で投与するときに看護師が最初の10~15分間は異変がないかどうか付きっきりで観察しています。クスリによるアナフィラキシーショックは10分以内に起こることがほとんどだからです。造影剤は検査中に投与するものなので、必然的に医療スタッフが付きっきりになります。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方