第一人者が教える 認知症のすべて

「昼食の時間が遅れて…」で低血糖 生活の変化に薬は対応できない

ブドウ糖の代わりにジュースやアメ、氷砂糖でも構わない

【自分の低血糖の症状はどういうものか】

 低血糖は繰り返しやすい。そして典型的な症状はあるものの、個人差が大きい。最初に手の震えから始まる人もいれば、空腹感が強まる人、不安感に襲われる人などさまざまです。

 一度でも低血糖を起こしたことがある人は、自分の低血糖症状がどういうものかを知っておくことで、次の低血糖の時に速やかに対応できます。低血糖で意識を失ってしまうケースも考え、家族や、一緒に時間を過ごすことが多い人に、低血糖症状を共有しておくのもひとつの手です。

【低血糖らしき症状が出たらどうするか】

 すぐにブドウ糖を口にし、安静にします。しばらく経っても回復しなければ、ブドウ糖を追加します。“しばらく”の目安は、15分ほど。くれぐれも「様子を見よう」「食事の時間まで我慢」とはしないように。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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