健康長寿に役立つ高齢薬膳

【砂肝】「鶏内金」と呼ばれる生薬で結石を溶かす作用が高い

やわらか砂肝とコーン、キュウリの中華風サラダ(提供写真)

 中医学では、尿路結石は「体内で滞った余分な水分が固まって石になる」と考えます。痰湿といわれる、新陳代謝が悪く体に湿気がこもり、脂肪分もたまりやすい人に多く見られます。

 改善のためには、塊を溶かす作用がある食材を取り入れるとともに、利尿作用を高める食材を取り入れることが大切です。

 おすすめは、砂肝。意外かもしれませんが、砂肝は「鶏内金」という名前の生薬です。歯を持たない鶏が「食べたものをすり潰すために砂や小石を食べる」という特性を持つことに着目し、薬として使われるようになったといわれ、結石を溶かす作用が高いのです。予防のために、こまめに取り入れたい食材なのです。

 また、砂肝は胃の働きを高める作用も高く、胃もたれ、消化不良、食欲不振、腹部膨満感にも役立ちます。焼き鳥を食べるときには、「胃薬効果」を狙ってオーダーしておくことをおすすめします。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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