以前、著名な大学病院でくも膜下出血の手術を行い、ずっと寝たきりの状態になってしまった男性(当時62歳)が、奥さんに連れられて私のところへやって来ました。
その男性は手術自体は成功して命を取りとめ、術後は日本を代表するリハビリテーション病院に移りました。しかし肺炎を繰り返すなどして寝たきりのまま6カ月が経過し、医師から「もう、これ以上はよくならない。あきらめてください」と告げられたといいます。その後に移った療養型病院でも寝たきりの状態は続きました。呼吸を確保するために気管切開が行われ、口から食べることができないので経鼻経管栄養のチューブが鼻から挿入されています。しかし、奥さんはどうしてもあきらめきれない思いを抱いていました。
「まだ62歳なのに本当にこのままよくならないのだろうか。もう、しゃべることはできないのか、口から食べられないのか、外出できるようにならないのか……」
正解のリハビリ、最善の介護