「リハビリテーション医療」とは、介助が必要になるくらい落ちてしまった「機能」と「能力」を回復させ、日常生活や生産活動の自立(あるいは介助の軽減)を図り、新しい人生に歩む意欲を高めて幸せを感じていただく医療です。
人間の機能と能力が落ちてしまう原因はいくつもありますが、そのひとつが「病気」や「ケガ」です。たとえば、脳卒中が起こって脳のどこかが壊れると、さまざまな機能障害が現れます。麻痺が生じて手足が動かなくなる、顔が動かなくなる、話せなくなる、食べられなくなる、目が見えなくなる、耳が聞こえなくなる、自分の手足がどこにあるかわからなくなる。記憶ができなくなる、注意力がなくなる、今日がいつなのかわからなくなる、間違いを修正できなくなる、間違いに気づかなくなる、危険なのかどうかわからなくなる……こうした障害は「高次脳機能障害」と呼ばれます。
機能障害が残ると、さらに「能力」が落ちていきます。たとえば、歩く、物を拾う、食事をとる、排泄する、衣服を着脱する、顔を洗う、入浴する、清潔を保つ……といったわれわれが通常行っている日常生活を遂行するための行動がうまくできなくなるのです。
正解のリハビリ、最善の介護