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米国人の平均寿命が3年連続で下降…他の先進国に比べてなぜ短い?

高い医療費がネックに(C)iStock

 アメリカ人の平均寿命が3年連続で前年を下回りました。しかも76歳という寿命は、他の先進国に比べずっと短いことが話題になっています。

 医学誌ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーションに掲載された調査によれば、寿命が縮まった最大の理由はコロナ禍です。しかしそれ以上に注目されたのは、日本を始め先進国の平均寿命が軒並み80歳を超えているのに比べ、アメリカはずっと短いことです。

 世界でトップクラスの医療先進国アメリカは、医療に使われるお金も世界一です。にもかかわらず、予防医療が充実しているとは決して言えません。

 まず国民皆保険でなく、国民の8%が医療保険を持っていません。たとえ保険があっても、高い医療費が検査や早期治療を受けることを難しくしています。医療への普遍的なアクセスが不足しているために、死亡率が上がり、平均寿命が短くなっていると、米国立衛生研究所は指摘しています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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