第一人者が教える 認知症のすべて

酔っぱらって転倒…「異常」はすぐに出てくるとは限らない

写真はイメージ(C)PIXTA

 ところが、何らかの症状が出てきても、頭を打ってから時間が経っているため、転倒との関連を意識していない方も少なくない。

 転倒があれば、数カ月後に慢性硬膜下血腫が起こるリスクをしっかり頭に入れ、異変が生じたらすぐに病院へ行くようにしてください。頭部CTやMRIで検査をし、状態によっては局所麻酔で脳の血腫を排除する手術を行います。

■慢性硬膜下血腫の典型的な症状 
・頭が痛い
・ぼーっとする
・手足が動かしにくい
・言葉が出にくい
・舌がもつれる
・手足がしびれる
・物忘れがひどい
・けいれんが起こる
・尿失禁がある

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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