シニアの場合、加齢によって皮膚の水分や皮脂が減り、バリアー機能が損なわれているため、手荒れが悪化しやすくなります。放置しておくと難治性の手湿疹に移行する恐れがあるため、注意が必要です。
手荒れは、仕事や日常生活に支障を来すうえ、バリアー機能の低下によって、ウイルスや菌が侵入しやすくなり、感染リスクが高まる可能性もあります。たかが手荒れと思わずに、クリームなどによるこまめな保湿を行うとともに、食事でもケアをすることが大切です。
中医学では、手荒れは「血」との関係が深いと考えます。血は、全身に流れて体のすみずみにまで栄養を与える液体。五臓六腑や、筋肉、骨を養って生理機能を正常に保ち、皮膚を滋養しています。血が不足すると、皮脂の分泌が滞り、乾燥して肌荒れを引き起こしやすくなるのです。
とくに、もともと血が不足しているタイプの人は、手荒れに悩まされがちです。普段から、めまいや立ちくらみ、動悸(どうき)や息切れ、目が疲れやすいといった不調がある人は、血が足りていない傾向があります。血を増やす食養生に努めましょう。
健康長寿に役立つ高齢薬膳